労働組合が考える「目標管理制度」支援とは

みなさんこんにちは!
今回は、「目標管理制度」の運用改善に取り組んだ組合様のご紹介です。

お役立ち事例

今回ご紹介する組合では、目標管理制度の理解度・納得度を高めるために制度の趣旨や目標の立て方についての研修を人事部主催で行っていました。
この研修は管理職も部下指導のために必須で受講するなど、会社も力を入れた取り組みでした。

しかし、組合が目標管理制度に対するアンケートを取ったところ約3割の組合員が自分の評価に納得しておらず、自由記述の中には「期待された通りの成果を出したのに評価されていない」「評価に繋がらないなら目標管理なんかやっても無駄だ」と辛辣なコメントが……組合としてもこの状況を傍観しているわけにはいかず、職場集会を開催し、現場で具体的にどんな問題が生じているのか情報を収集しました。

言われたことを忠実にやっているだけ?

1か月あまりが経過した頃。委員長は組合事務所で、集まった職場集会の実施報告を読んでいました。すると、集まった組合員の声の中に、ふと気になる記述が目に留まりました。
「自分は指示された業務を忠実にこなしている」

委員長は議事録を挙げた執行委員が近くにいたので、すぐに声をかけました。
「ねぇ、○○さんのこの発言だけど……」
「あぁ、これですね。○○さんだけでなく、不満を持っている人は結構同じようなことを言いますよ~。言っちゃ悪いけど、指示待ちというか。まじめに仕事はしてくれるんですけどね……」
(なるほど……不満をもつ組合員は、どうやら『仕事の成果』についての捉え方に大きな誤解があるようだ……ここをしっかり啓発しないと小手先の対策は無意味だ)

委員長が強く問題意識を持った「仕事の成果」の捉え方。
それは「定められた目標に到達しさえすればいい」という考え方でした。

(目標に到達していれば、それ以上の努力や工夫は不要……そういうことが言いたいのか?そんな後ろ向きな姿勢の社員が増えていったとしたら、会社は存続していけるのだろうか……?)
危機感を抱いた委員長は、大々的な施策を打ち出す覚悟を決めたのでした。

自分の仕事観がないのに、評価に満足もなにもない!

委員長が打ち出した施策は次の3つでした。

①自分の仕事の価値観を明確にするための組合員向けキャリアデザイン研修

②目標管理制度の理解を啓発する冊子の発行

③面談前に②の冊子を用いた、執行委員が講師となる勉強会を職場ごとに開催

委員長はまず、「自分がこの会社とお客様にどう貢献したいのか」ということが明確でない組合員が多いことを問題視しました。その思いがないのでは目標も満足に立てられないだろう、と考えたのです。

そこで自主参加型のキャリアデザイン研修を複数回開催しました。自主参加型とは言いつつも、不満を抱いていそうな組合員への声掛けを各職場の代議員に要請して集客することも怠りませんでした。


キャリアマネジメントセミナーはこちら

次に、そのキャリアデザインを、日々の仕事を通じて実現していくために目標管理という制度があるのだ、ということを啓発する冊子を作成しました。

面談は、会社や上司からの期待に応えていることを表現する場であることはもちろんのこと、自分の目指す姿を上司に共有し、協力を仰ぐ場でもあるということを明記しました。
目標管理セミナーはこちら

最後に、面談前の時期に執行委員が講師となる目標管理制度勉強会を開催しました。
せっかく立てた目標も日々の多忙な業務で意識が薄れがちになるので、そのリマインドや復習の意味で開催しましたが、勉強会に参加した他の同僚の目標もその場で共有されることにより、お互いに支援できることの発見につながりました。

この勉強会の開催で、
・必ずしも自分一人で目標を達成しなければならないわけではないこと
・チームで仕事をしている以上、他の同僚の目標達成に貢献することも役割の一つであること

を参加した組合員が認識するという副次的な効果もありました。

勉強会に参加した組合員からは、
・もちろん評価が欲しいことには変わりないが、それだけではいけないということが分かった
・執行委員と話をしていると、自分がこの仕事を通じて何をしたいのかが明確になった

という、ねらい通りの声が複数挙がるようになり、『目標管理制度支援』は組合活動の重要な柱の一つとなりました。

一連の活動を振り返って

最後に、一連の取り組みの仕掛人となった委員長からいただいたお言葉をもって結びの言葉としたいと思います。

業種や職場環境は違っても通用する考え方かと思いますので、「今さら目標管理……?」と思われている方も、是非自社の運用のされ方を見直す契機となれば幸いです。

「別に皆だって与えられた目標達成のためにこの会社に入ったわけではないし、目標達成が働く目的そのものではないはず。会社が出してくる目標は目安でしかなくて、もっと自分が与えられた職務の価値や意味、責任を自分なりに考えて、現状で満足せずもっとより高みを目指して最善を尽くしてほしい。

そういう意味では目標管理は自分との勝負。

同僚と比べてどうかとか、上司が評価してくれるかどうかとかは実はどうでもいいんだ。仮にラッキーパンチで高い評価をもらうことがあっても、自分の仕事に納得していないときは満足しちゃダメ。そこで努力を緩めたらいつかはしっぺ返しが来る。上司の判断がすべて正しいわけでもない。もっとこういうやり方もある、と下からどんどん意見を上げる。その意見は会社やお客様を思ってのものなんだから、上司はたとえその意見が自分のやり方と違っても真摯に向き合って検討する。客観的に見て自分のやり方より良ければ素直に採用する。
目標管理制度というのはそもそもそういう在り方を促すものではないか、と俺は思うんだよね。」
目標管理セミナーはこちら

関連記事

  1. 職場に活力を与え組織強化につながる!承認力

  2. タイムマネジメントで「仕事のさばき方」のスキルをアップ!